彼に伝えたいこと。

Kさん。

私、Kさんに会えて良かった。
Kさんを好きになって良かった。

誕生日、0時ちょうどに「おめでとう」って乾杯してくれてほんとに嬉しかった。

さりげなく“薫子”って名前で呼んでくれたり。

バイトのみんなで飲みに行った帰りに家に来てくれて。

バイトでめちゃめちゃ凹んでたら
「飲み行くか」
って誘ってくれて。

スキって言ってくれて。

手繋いでくれて。

キスしてくれて。

あの時は「付き合おう」とも言ってくれたっけ。

今思えば、付き合っとけばよかった（笑）

ほんとにKさんにはいっぱい幸せもらった。

けど、いっぱい辛い思いもしたよ。

彼女がいるのに。って思ったし。

いつ来るかわからないし。

彼女お店に連れてくるし。

全然来てくれない時もあったし。

バイト中ブチギレされたこともあった。

でも、
なんでかな。
それでもスキだよ。


なんでKさんが私のとこなんかに来るようになったかはよくわかんない。

ほんとに私をスキだからか、
ただの社宅扱いか。

でも、もうどっちでもいい。
彼女のとこではなく私のとこに来てくれる日があるなら。

私はKさんには何も求めない。
いや、正しくは口にださない。

だってそれはKさんは望んでないと思うから。

きっと彼女は自分の要望をKさんに言ってると思う。
「会いたい」
「電話して」
「メール返して」

そんな彼女を嫌に思う。そんな時にKさんは薫子のとこに来るのだと思う。

だから薫子はKさんには何も言えない。

いや、言わないのが正しいかもしれない。

うざく思われたくないから。
嫌われたくないから。

会いたい日があっても。
電話に出てくれないことがあっても。
メール返してくれないことがあっても。

次会った時に「ごめんな」
って言われたら。
「いいですよ」
って許しちゃう。

Kさんの前ではかなり聞き分けのいい子。

もしかしたら薫子は自分からKさんの
“都合のいい女”
になったのかもしれない。

けど、いいんだ。


ウソでも
「大阪居ろよ。帰んなって」
って言ってくれて。

Kさんは気付いてないと思うけど
薫子は泣きそうなくらいうれしいんだよ。


どんな理由であれ、
薫子を選んでくれてありがと。

最近またちょっとだけ
大切に扱ってくれてありがと。


あと2ヵ月。

仲良く過ごそうね。

その間もわがままは言わないつもり。

でも、ひとつだけ聞いてほしいことがあるんだ。

私が大阪で過ごす、最後の日は。
彼女じゃなくて、私と一緒にいて。

最後に薫子のわがまま聞いて。

だって。

Kさんに最後に伝えたいことがあるんだもん。

「Kさん、ほんとにありがとう。」